人生は一度きり。

教育、英語学習、海外について書いています。

1年間、毎朝子どもたちに読み聞かせをしてみたら・・・。

こんにちは。3学期も残すところあと1カ月。子どもたちとのお別れが近づき寂しさを感じ始めているでいごです。

 

さて、今年は教師人生で初めて2年生を担任しました。天真爛漫な年代の子ども達に何をしてあげられるだろうかと考えた結果、

 

「たくさんの本に触れさせる」

 

ことを1年間通してやってみようと思いました。

 

私が幼少期の読書の必然性をものすごく痛感した出来事があります。

塾講師時代に中学生を担当していました。その時に、国語の成績を伸ばすのに本当に苦労しました。国語はセンスとよく言われますが、私はそうだと思いません。

 

主語述語の関係性や接続詞の意味を理解し、文字を画像としてイメージできる力は鍛えられると思っています。しかし、その力は幼少期からたくさんの本を読んでいる子にはなかなか追いつくことが出来ません。受験勉強の1年間で、これまでの何十年もの読書量に追いつくことは不可能です。

 

そのため、私は小学生の時期に「本を読むこと」に抵抗感が無い状態を作ることが、将来にとても大切だと思ったのです。むしろ、数学などは後からいくらでも復習は可能ですが、言語力に関してはとてつもない時間と経験が必要になります。

 

だからこそ、この1年間、子どもたちに「絵本の読みかけ」を通して、

 

「本は楽しいものだ」

 

と思ってもらえれば、とりあえずは仕事ができたかなと思っています。

脳内では本での経験も現実の経験のように感じている。

 ある研究によれば、物語などの主人公が色々な経験をしているのを読むと、脳内では、読者が実際に同じような経験をしたと解釈されるようです。

 

 読書で世界が広がるというのは真実なのです。登場人物の心情を考えたり、普段の生活では経験できないことを本の中の主人公が代わりに経験してくれるのです。

 

 だから、たくさん本を読む人は、多くのことを経験し、多くの人の心の色彩に触れることで、どのように生きるべきか、振舞うべきかを理解できるようになります。

 

 そして、読書をすることで外国にも過去にも未来にも行けるのです。時空や時間を超越した体験ができることで、普通に暮らしていたのでは想像もつかなかったことも考えられるようになるのです。

私が読み聞かせした本&食いつきが良かった本紹介

 私の備忘録も兼ねて、これまで読んだ本や、子どもたちの反応が良かった本を紹介します。

 

「ないしょのオリンピック」はちょうど東京オリンピックの時に読んであげました。家の中にあるぬいぐるみや様々な道具が登場してオリンピックを繰り広げます。何回読んでも発見のある読み応えのある一冊です。

「カレーのおうさま」は、カレーの材料の中で誰が一番えらいんだろう?ということを考える内容です。カレーに入れる材料も学べるので食育と絡めて扱えるのも良かったです。「みんなはどれが王様だと思う?」と話を広げると食いついてきますよ。

 

「あいさつの絵本」シリーズです。ありがとう以外にもさようならなどがあります。世界各国のあいさつを学ぶことができます。外国語の挨拶を聞かせると、日本語には無い音の響きがありますよね。面白がって子どもたちはとても興味を持ってくれました。外国語活動とも関連付けて扱うことも出来そうです。

 

「うんこ!」 まず表紙からして、子どもたちは大好きですよね。この本は実は超大真面目な内容になっています。道端の犬のうんこから始まるストーリーに子どもたちは「きたね~ッ」と初めは面白がっていますが、最終的にうんこが肥料となって、私たちの食べ物の栄養になっていることを知り、真剣な表情になっていきます。子どもたちの反応がどんどん変わっていくのが面白いですよ。私は生活科のいも堀りの日に読み聞かせを行い、「おいもも肥料で大きくなったんだよね」と子ども達と再確認しました。

 

「とんでいったふうせんは」 中学年向けの本ですが、2年生にも十分伝わる内容でした。表紙にある風船は実は「思い出」が詰まったもの。主人公である子どもはたくさんのことを経験し思い出の風船が増えていくなか、おじいさんは認知症を患い、どんどん風船が無くなっていきます。最後には主人公がおじいさんの風船を代わりに持ってあげれば、おじいさんは悲しまなくてすむことに気付きます。涙の出る一冊です。私は読みながら泣きそうになりました。高齢者体験などを行う高学年の子どもたちにもぜひ読んであげたい一冊ですね。

 

「このあとどうしちゃおう」 絵がとても素朴で癒されるんですよね。おじいちゃんと孫の話ですが、1ページにたくさんの面白いアイデアが詰め込まれていて、子どもたちと一つ一つ見ていくと、とても盛り上がりました。読んでいるだけで想像力が広がる絵本です。こんな自由な発想ができるのか~と感心します。

「せかいいちおおきなうち」 教科書で扱われている「スイミー」の作者レオレオニの作品です。レオレオニさんの作品は、人間の価値観について触れられていることが多いですが、その中でもこの本を読むと、何でも大きければいいのではないということに気付きます。何でも欲張ろうとすることが多い年代の子どもたちに、一端自分の価値観を考えさせるきっかけになりますよ。

「いいからいいから」 お化けがお家に入ってきても「いいからいいから」と招き入れるおじいちゃんの物語です。来るもの拒まず、何でも「いいから」と受け入れる器の広さがなんとも面白いです。ちょうど生徒指導で叱ることが多くピリピリしがちだった時に読んでいて、ふと「そんなに叱らなくてもいいかな」と肩の力が抜けた思い出があります。失敗も笑い流す、そんなクラスの雰囲気を作るにはもってこいの本です。

「なーちゃんとおおかみ」 素っ裸のなーちゃんが出てくるので、子ども達が「キャハキャハ」笑ってしまうお話です。お風呂に入っていたなーちゃんのところにオオカミが来るのですが、石鹸で滑って捕まえることができません。戦わずして勝つという価値観があることを教えてくれる本です。

「ぼく、ひつじじゃなくてぶたなんだ」 ひつじとして生まれた主人公でしたが、隣で自由に転げまわるぶたたちを見て、ぶたになりたいと願います。その後、羊毛をすべてそってぶたと変わらない格好になり、 ぶたとして生きていくというお話です。ジェンダーレスの世の中になってきている現代において「アイデンティティ」について考えることが多くなってきていますよね。学校現場でもLGBTについて考えることが大切ですので、この本と絡めて、心と体の性について話すといいかもしれませんね。

「びーだまふくろう」 外国の絵本です。ビー玉の形をした様々な動物たちが繰り広げる物語です。話の内容も面白いですが、どんな動物もビー玉の形をしているのが面白く、じっくり絵を見たくなる本です。意外な結末に驚く内容になっています。

「からすのそばやさん」 「からすの~」シリーズですね。今回読んだのはそばやさんですが、途中からうどんやラーメンも作り始めるからすさん達。面白いネーミングのメニューが続々と登場するので、子どもたちの食いつきがもの凄く良かったです。また、そばがどのようにしてできるのかも学習ができるのがいいですね。