2年国語「雨のうた」の楽しい授業の仕方
2学期最初の単元「雨のうた」の授業を楽しくする方法を紹介します。
★この授業で期待される児童の姿★
・詩の構成について、ワクワクしながら考えるようになる。
・言葉の伝え方の工夫を考えて「主体的に」音読するようになる。
・詩の学習が好きになる。
・みんなの前での発表に自信がつく。
T=先生 S=児童
★教科書は開きません★
① 雨のイメージを尋ねる。
T「夏休みの間、台風が来たり、ゲリラ豪雨があったりしたね。ところで、みんな雨は好き?」
S「きらいです。外で遊べなくていやでした。」
S「好きです。長靴で水たまりに入るのが好きです。」
② 「雨のうた」って何だろう?と問いかける。
T「雨のうたっていう詩を勉強していくけれど、雨は歌うの?」
S「雨の音が歌に聞こえるんじゃないですか?」
T「なるほどね。では雨にはどんな音があるかな?」
③ 雨の音を板書する。
★さまざまな雨の映像を見せるとイメージが湧きやすいです。
「ざあざあ」「しとしと」「ぽつぽつ」「ざー」
色々な雨の動画を集めてくれています。雨の呼び名は多彩ですね。
④ 詩(第一連のみ)を一文ずつ提示する。
★詩を拡大コピーして、一文ずつ黒板に貼り付け、ワクワク感を出しながら次にどんな言葉がくるか考えながら提示していきます。
T「つるみまさおさんは、どんな雨のうたを聞いたのかな。」
T「『あめはひとりじゃうたえない、きっとだれかといっしょだよ』ってどういう意味だと思う?」
S「雨だけでは音は出ないことを言っていると思います。」
⑤ 第一連を吟味する。
T「第一連を読んでみて、何か気付いたことがある人いますか。」
S「文字が、3文字、4文字、5文字とそろっています。」
S「どの文にも、『いっしょに』という言葉が入っています。」
T「『やねといっしょに』ってあるけれど、あめとやねが一緒になると、どんな歌になるのかな?」
⑥ 第二連を一文ずつ提示し、気付いたことを発表させる。
T「第二連を読んで、何か気付いたことがある人いますか。」
S「文字がまたそろっています。」
S「川で『つんつん』って言うのがよく分かりません」
→川の流れに逆らって川面に雨が刺さる音?だと思います。
⑦ 第一連、第二連を通して音読する。
ーーー第二時ーーー
① 第一連、第二連を通して音読する。
② 自分が好きな部分に線を引かせ、どんな工夫をして読むか書かせる。
★ 教科書には書き込ませ辛いので、本文をコピーしたプリントに書き込ませます。
S「『とんとん』を雨が跳ね返っている感じで大きな声で読もうかな。」
【評価】
(思)文章を読んで感じたことや分かったことを共有している。あとでプリントの書き込みを見て評価しましょう。
③ ペアで読み合って、どこにどんな工夫をしたか当てさせる。
★ クイズ形式にすることで、子どもたちは自分で考えた読み方の工夫をより強調して行おうとします。
④ グループで読み合って、どこにどんな工夫をしたかを当てさせる。この時、工夫を増やしたい子は増やしていいことを伝える。
★ 子どもたちは、クイズをより難しくしようと、色々な工夫を考えるはずです。ここで、言葉をより伝えやすくするための音読の工夫を自分たちで発見するのです。
⑤ グループで役割分担を決めて、音読発表の練習を行う。
⑥ 音読発表をする。聴いている児童は、誰のどんなところが良かったか、メモさせながら聞き、発表させる。
【評価】
(知)語のまとまりや言葉の響きなどに気を付けて音読をしているか。
(態)粘り強く、語のまとまりや言葉の響きに気をつけて、詩のよさが伝わるように音読しようとしているか。
⑦ 「雨のうた」の第一連、第二連の最後に、オリジナルの文を付け加えさせる。
★絵を描かせてみても良いかもしれません。
例)第一連「ながぐつと いっしょに ながぐつのうた」
第二連「ながぐつで ばしゃばしゃ ながぐつのうた」
⑧ オリジナルの文を発表して、みんなで楽しむ。(完)
いかがだったでしょうか。私の詩の授業では、基本的に詩をノートに視写はさせません。それよりも、どんな文がくるのかワクワクしながら読ませたいので、一文ずつ提示する方法を採用しています。そして、音読では自分で考えたオリジナルの工夫を友達にクイズ形式で答えてもらうことで、自分の音読の仕方をどうすればいいのか「主体的に」考えるようになるのを期待しています。指導のポイントとしては、どんな工夫をしたとしても、「考えたこと」を褒めてあげることです。「しとしと」なのに、大きな声で読む児童もいるかもしれませんが、その子なりの理由があればそれでよしとして認めてあげましょう。大事なのは「答えを探すこと」ではなく、「自分で考えようとすること」です。
時間があれば、詩を作らせるのもいいかもしれませんね。できた詩を学級通信などに載せてあげるとさらに意欲が高まるでしょう。