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英検1級に合格するためにしたこと(リスニング編)

今回は、英検1級合格レベルのリスニング力を身に付けた方法をお伝えします。

 

とにかく過去問攻略

英検の4技能を磨くためにはとにかく一番やらなければいけないのが過去問を攻略することです。問題形式に慣れて、どのタイミングで問題文を見るべきか、どこまで選択肢を読むべきかなど、テスト中の短い時間でやることを絞る必要があります。今回紹介する方法は英検に限らず、私が英語のリスニング力を向上させている方法になります。

リスニング力が高いとは?

そもそもリスニング力とは何でしょうか?英文を聞いて理解するための条件としては、

 

① 聞いて理解できる単語や表現が多いこと。

② 英語の発音ルールを理解していること。

 

この2つを高めることがリスニング対策になります。

 今までに英語の音声を聞いて聞き取れなかったのに、いざ英文を見てみると「あれ?知っている単語じゃん」と思ったことはありませんか?私は何度もこのような経験をしました。特に英検準1級に何度も不合格になっていた時によくこの現象に陥っていました。この現象の原因は「見て分かる単語なのにリスニングで流れてくると聞き取れない」単語がたくさんあることでした。高校生の時の私は、発音をないがしろにして自己流の日本人発音で単語を覚えていました。正しくない発音で覚えてしまった単語がたくさんあったので、それらがリスニングの邪魔をしていたんです。

 

一番ショックだったのが、andを聞き取れなかったこと。文字通り私は「あ・ん・ど」という発音で覚えていましたので、文中で弱く発音される「弱形」の発音を聞き取ることができませんでした。もし、今この文章を読んでいて「弱形」とは何だ?と思った方がいるかもしれません。実は前置詞や代名詞、助動詞などは「強形」と「弱形」の2つの発音があるのです。学校では普段「強形」で発音を覚えますが、ネイティブの会話ではほとんど「弱形」で話されているので、聞き取れないという現象が起こるのです。

例えば、weという単語単独では「ウィー」と伸ばします。これが強形。しかし、他の単語と繋がるwhat we did などでは「ウィッ」の様にすごく短くて弱い発音になるので、ハッキリとした発音である強形でしか覚えていない人には弱形は聞こえないのです。

 

このことを知ってから、私は英語の発音を一から勉強しなおしました。辞書でamをひいてみるとしっかり

/(弱形) (ə)m; (強形) ˈæm/

と載っています。amを辞書でひいたことある人はなかなかいないと思いますが、実はここが落とし穴だと気付いたのです。英語を習いたての中学校のころに習った単語は、発音記号なんて読めませんでしたから、カタカナで教科書に発音の仕方を書いた人が多いのではないでしょうか。だから、そりゃ「アム」って書きますよね。そして中学、高校とこの「アム」を何千回、何万回と言って強形だけが定着してしまう。文中では弱形で話されるのに。日本人が英語を話すときに発音がネイティブっぽいかそうでないかは、実はこのような超基礎単語の発音が鍵です。英語が伸び悩んでいると感じる人は、遠回りの様に感じるかもしれませんが、超基礎単語を完全にマスターしてください。超基礎単語は英文を話すときの骨の部分ですし、逆に完璧に発音できれば、聞こえるようになりますから確実にリスニング力は向上します。みんな難しい問題ばかりやっているけれど、意外とここが盲点だと思いますよ。

 

私は英検準1級に届くくらいのレベルの時に、英語の発音を一から勉強しなおしました。さらに、文法も中学校の範囲であれば、人に完璧に教えられるように復習しました。(実際に塾講師として中学生に文法を教えました。)この時期に英語の基礎を徹底的に固めたことで、英検1級リーディングも、結局中学文法で成り立っていることに気付きました。ただ、出てくる単語が難しいだけで、骨組みは中学文法なんですね。だから難しい単語を暗記しちゃえば読めない文章は無くなることが分かりました。基礎が完璧に固まっていないのに準1級に挑戦している人って意外と多いんじゃないかなと思います。

 

基礎文法を徹底的に固める。

文法を固めるには、瞬間英作文を使ってください。一瞬で自分の弱点が分かりますよ。このトレーニングはすごく重要で、スピーキング対策の第一段階にもなりますので必ず行いましょう。話せれば、聞いて理解できるようになるので、同時にリスニング対策になっていますよ。3周くらい回したら、かなり話せるようになっていると感じるはずです。

 

発音マニアになる。

弱形強形、音の連結、脱落など英語の発音に関することはすべて網羅している「英語の発音パーフェクト学習事典」は必携です。なぜ自分がリスニングで聞き取れなかったのかが分かりますよ。事典ですので、最初から全部やるというよりか、参考書の様に使ったほうがいいと思います。

 

過去問でのリスニング練習の仕方

①どの問題でもいいですが、まず試験と同じように解きます。しかしすぐには答え合わせをしません。

②内容が理解できるまで何回も聞きます。

③何回聞いても、何を言っているか分からない場所があります。その箇所を見つけるために、音声を流したら2~3秒で一時停止をします。そして今聞こえてきた音声を一字一句間違いなく復唱できるかやってみましょう。

④復唱できない部分に分からない単語や表現が隠れています。そこを調べて、スラスラと発音できるまで復唱しましょう。すると次は何と言っているか聞き取れるようになっています。

 

地道にコツコツ復唱すれば、発音が完璧になってきますよ。それはスピーキングに確実に良い影響をもたらします。私は上の方法で発音を鍛えてから、初めて会うネイティブから「とてもきれいな発音だね」と必ず褒められるようになりました。このことがあり、自信を持って話すことができるようになりました。そして1級の2次試験も一発で合格しました。

やらなくていいこと

リスニング対策ではディクテーションをやる人がいますが、とても勉強効率が悪いと感じます。確かにスペルチェックができますが、書いている時間があったら何度も発音を真似したほうがきれいな発音が身に付きます。ディクテーションは時間とエネルギーの無駄だと思います。

 

以上がリスニング対策になります。